ブログ

2017.07.13

歯みがき粉に含まれるフッ素濃度の改定について

こんにちは
歯科衛生士の田中です。

ムシムシした暑さが続いていますね!
今日は歯みがき粉に含まれるフッ素濃度の改定についてお話したいと思います。

皆さんは歯科医療用品と言うと何を思い浮かべますか?

一般の人々にとっては歯ブラシと歯みがき剤を思い浮かべるのではないでしょうか。その中でも、う蝕予防を目的としたフッ化物を含む歯みがき剤は日本においては90%以上、米国においては95%以上のシェアを占めています。

フッ化物配合の歯みがき剤が社会に浸透しているなかで、その濃度についての問題提起がなされてきました。その背景には、欧米では1,000ppm~1,500ppmの薬用歯みがき剤が一般的であるなか、日本においては上限が1,000ppmに設定されていたことがあります。

ここにおいて3月17日、歯みがき剤のフッ化物濃度についての大きな承認が厚生労働省によって下されました。
それによると、これまで薬用歯みがき剤におけるフッ化物の配合量は1,000ppm以下とするように定められていたが、その上限が1,500ppmまで引き上げられたのです。

今回の承認を受け、歯みがき剤メーカー各社から1,000ppm〜1,500ppmの高濃度フッ化物配合の歯みがき剤が発売されることになります。

高濃度のフッ化物配合薬用歯みがきが販売されるにあたり、その注意表示として
① 「6歳未満の子供への使用は控える」旨を表示する
② 「6歳未満の子供の手の届かない所に保管する」旨を表示する
③  濃度を直接容器などに記載する
④  内容物が10g以下の場合、②を省略することができる
などの基準が設けられます。

年齢ごとに推奨されるフッ素濃度

厚生労働省においては、歯みがき剤のフッ化物の濃度について以下の推奨がなされています。

年齢 使用量 歯みがき剤のフッ化物質濃度
歯の萌出~2歳 切った爪程度の少量 500ppm(泡状歯みがき剤ならば1,000ppm)
3歳~5歳 5mm以下 500ppm(泡状歯みがき剤ならば1,000ppm)
6歳~14歳 1cm程度 1,000ppm
15歳以上 2cm程度 1,000ppm

推奨は国により異なり、例えばフィンランドにおいては第 1 乳臼歯が萌出したら 1,000ppm の歯磨剤を豆粒大で使用する。一方、オランダでは 2 歳までは 1日 1回、2 歳からは 1日 2回のペースでの500ppmの歯みがき剤の使用を推奨をしています。欧州小児歯科学会では、6ヵ月から 2 歳未満は 500ppm を 1 日 2 回、豆粒大での使用を推奨しています。

それでは、日本において新しく導入される 1,000ppm〜1,500ppm の薬用歯みがき剤については、どのように取り扱うべきなのでしょうか?
例えば、イギリスにおいては、3 ~ 6 歳では 1,350 ~ 1,500ppm の薬用歯みがき剤の使用が推奨されています。

e-ヘルスや各学会がガイドラインを出すまでは、「6歳未満の子供への使用は控える」という表示に従って使用することが望ましいのかもしれません。

ご家庭での歯磨きは、う蝕・歯周病予防において大変重要です。正しいブラッシング方法と定期検診で、いつまでも健康な歯を保ちましょう☆

市川市行徳(福栄) 予防を中心に小児から入れ歯まで
「いつでも頼れる街の歯医者さん」を目指す個室診療
はぎわら歯科クリニック